高岡コロッケ〜夢は揚げたて!富山新聞

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【2009/4/18付】富山新聞掲載

◎利長くんの高岡400年(84) 第2部・2014年対策 コロッケ(下) 県外客に「ご当地メニュー」

 高岡の新名物としてコロッケが浸透していることを実感した利長くんは、市内の地理に不案内な観光客でも気軽にコロッケを食べられる場所を探していた。JR高岡駅前のビジネスホテルに、コロッケを使った新メニューが登場したと聞いて、早速、足を運んだ。

●新メニュー考案
 「県外客にも喜ばれる高岡ならではの料理を提供したかったんです」。高岡マンテンホテル駅前の直営レストラン「BON(ボン)」の三守学店長が説明する。今年一月に高岡市の中心商店街で開かれた高岡コロッケ横丁など、コロッケをテーマにしたイベントのにぎわいを見るたび、メニューに加えたいと考えていたという。
 三守店長が紹介してくれたのは「タコチーズコロッケのあんかけソース」。利長くんは「ボールみたいな形で、コロッケには見えませんね」と興味津々の様子だ。
 三守店長によると、ジャガイモとタマネギをベースに、タコとチーズを加えた具材を衣で包んで揚げてある。「店は和風の味を取り入れた洋風居酒屋を掲げており、コロッケは新メニューにすんなりはまりました」と三守店長は自信を見せる。
 BONでは、ホタルイカの黒作りやシロエビの酢漬けなどを富山の味として提供しており、県外客の人気が高かった。タコチーズコロッケは高岡のご当地メニューとして認知され、注文は女性客が七、八割を占める。「観光客は、その土地の味を食べたいという欲求が強いはず。高岡コロッケも、その一つということか」と利長くんはうなずく。

●朝食バイキングに
 高岡市駅南五丁目のビジネスホテル「ホテルセブンセブン高岡」では、昨年十月から、朝食バイキングのメニューにコロッケが取り入れられた。キャベツと一緒にパンにはさんで食べる方式で、こちらも好評という。
 「宿泊客の八割は食べますね。高岡コロッケの知名度が上がったことで、一度食べてみたいという興味をくすぐるようです」。ホテルセブンセブン高岡フロント課の沙幸雄さんが説明してくれた。これまでは朝食を食べる宿泊客は一日に二十人程度だったが、コロッケを提供するようになってからは五十人程度に増えた。
 高岡市内では、ホテルニューオータニ高岡で「宝石コロッケ」と呼ばれる独自商品が定番メニューになっている。観光やビジネスで高岡を訪れる人が、コロッケのまちを実感する場面は確実に増えている。
 「ホテルや飲食店が競い合えば、楽しいコロッケが続々登場するに違いない」。利長くんは高岡の食の魅力アップを予感した。

ビジネスホテルに登場したコロッケ料理=高岡市内