高岡コロッケ〜夢は揚げたて!富山新聞

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【2009/4/16付】富山新聞掲載

◎利長くんの高岡400年(82) 第2部・2014年対策 コロッケ(上) 若い発想でまちおこし

 高岡が「コロッケのまち」と呼ばれるようになったのは、つい最近のことだ。「四年余りで、ここまで高岡コロッケが定着するなんてすごいな」。利長くんは、コロッケのまちとして売り出すもとになった高岡市のホームページ「カラーたかおか」を運営する市の若手職員を訪ねた。
 カラーたかおかは二〇〇四年、高岡市のイメージアップを目的に開設された。その際、富山県のコロッケ消費量が全国トップクラスであることに着目し、高岡をコロッケのまちとして紹介した。これをきっかけに、高岡商工会議所や市、企業、富山新聞社などによる高岡コロッケ実行委員会が発足し、食によるまちおこしが本格化した。

●親しみやすい素材
 「高岡のイメージは万葉や加賀藩前田家、銅器が一般的だけど、どうしてコロッケに目を付けたんだろう」。利長くんの疑問に、カラーたかおかに携わる駅周辺・新幹線対策課の長久洋樹さんが答えてくれた。「若い世代に訴えるには、万葉や前田家より、身近で親しみやすいコロッケが最適と考えたんです」。
 ホームページで評判を呼んだのが、販売店を紹介する「コロッケ白書」だ。メンバーが一軒一軒訪ね、各店のこだわりに光を当てた。「コロッケの魅力を掘り起こすことに成功したわけだ」と利長くんも感心する。

●既存のもの生かす
 コロッケによるまちおこしは全国から注目され、視察が相次ぐようになった。三月下旬に訪れた新潟県三条市の関係者は、特産のジャガイモを生かそうと高岡コロッケの取り組みに注目した。視察だけでなく、カラーたかおかのメンバーが県内外の自治体から講師に招かれることもある。「一から新しいものをつくるのではなく、既存のものを上手に生かした点が評価されているようです」と長久さんは分析する。
 長久さんは、高岡コロッケの特徴を「関連商品が多く、新しい市場を開拓したこと」と言う。コロッケ用のソースや斬新なデザインのネクタイなど、いずれも高岡コロッケの人気にあやかって生まれた新商品だ。「多彩な脇役との相乗効果で高岡コロッケが盛り上がっているということか」と利長くんがうなずく。
 カラーたかおかは二十―三十代の職員で構成し、絶えずメンバーを入れ替えながら新たな構想を練っている。「コロッケの活動が自信になっています」と長久さんが言うように、ホームページにはコロッケ以外の企画も登場している。
 「若手の柔軟な発想を生かしていくことが大事だね」。利長くんは大いに期待を寄せた。

高岡コロッケ最終日