高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(85)

第8部・笑顔ホクホク(5)
JR広報誌 沿線の味で知名度アップ

●主要駅に2万冊
 JR沿線のグルメとして高岡コロッケが取り上げられた。城端・氷見線活性化推進協議会が発行した広報誌で、七月末から富山、石川、新潟、福井四県の主要駅に二万冊が置かれたところ、品切れの駅が出るほどの人気という。
 広報誌は年一回の発行で、例年は南砺、砺波、高岡、氷見の四市の名所旧跡などを掲載していたが、今回は沿線の味をテーマに四市の自慢の味を紹介することになった。高岡のコロッケ以外では南砺のそば、砺波のアユ、氷見の海の幸が取り上げられた。高岡市の担当者、柴野泰彦さんは「これまで高岡はこれといった名物が見当たらなかったが、売り出し中のコロッケはぴったりだと思った」と話す。
 駅からの散策を楽しんでほしいとの狙いから、徒歩十分以内でいける店が選ばれた。高岡駅周辺は三店で、サーロインコロッケやシロエビコロッケなど独自商品を開発したホテルニューオータニ高岡と、映画「八月のクリスマス」のロケが行われ、チョコレート入りの里いもコロッケで注目を集める居酒屋「陣太鼓」、素朴な味のミートコロッケが評判の精肉店「天狗乃肉大手町店」。伏木駅周辺では同地区唯一の高岡コロッケ加盟店でハムコロッケが人気の谷沢精肉店が取り上げられた。
 広報誌の製作を担当したジェイアール西日本コミュニケーションズ富山営業所の扇子隆太所長は「駅という人が行き交う場所に置く広報誌の宣伝効果は絶大です。高岡コロッケの全国発信への弾みとなるでしょう」と期待を寄せる。九月三十日までは、庄川温泉郷の宿泊券や海の幸盛り合わせセットなどが当たるスタンプラリーも実施しており、利用客の評判も上々だ。

高岡コロッケが紹介された広報誌を手に取るJR高岡駅の職員=同駅

●JRとの連携進む
 高岡市と同じくコロッケによるまちおこしを進める茨城県龍ケ崎市でも、JRとの連携が一足早く進む。昨年には駅構内のコンビニエンスストア約三百二十店で、龍ケ崎市商工会女性部が作る「まいんコロッケ」が入った駅弁が販売された。駅からの散策を楽しむ「駅からハイキング」にも「コロッケの街・龍ケ崎の道」がコースになるなど、コロッケが積極的に活用されている。
 鉄道を通じて高岡コロッケの評判が広まっていけば、観光客の誘致とともに、全国発信に大きな力となることは間違いない。

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