高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(83)

第8部・笑顔ホクホク(3)
カレーうどん 隣市同士で食の交流へ

●B級グルメ対決
 「高岡と小矢部でB級グルメ対決ができればいいですね」。八月二十九日に小矢部市内で開かれた両市のまちづくりグループの会合で、食による都市間交流が話題に上った。小矢部では「小矢部市まちづくり研究会」がカレーうどんを名物にしようと、二年前から活動している。この日は研究会が高岡コロッケを参考にするため高岡市の若手職員でつくる「カラーたかおか」を講師として招いた。
 「小矢部市まちづくり研究会」は二〇〇五年、市の助成を受けて若手経済人と市職員十四人で発足した。市の特色を売り出す素材として国民食ともいえるカレーに着目。市内に製めん会社があることを活用し、小矢部を「カレーうどんのまち」として発信しようと思い立った。
 メンバーは市内でカレーうどんを提供する飲食店十六軒を食べ歩き、めんの太さや味についての解説などを記した地図を作製した。昨年二月には提言書として市に提出している。市の補助金は昨年度でなくなったものの、人のつながりや二年間の成果をまちの活性化につなげていこうと座長の村上一宏さんが活動の継続を提案した。今年度からは「まちづくり研究会OB会」に名称を変えてカレーうどんのまちづくりに取り組んでいる。
 研修会にはカラーたかおかのメンバー五人が参加した。まちづくり研究会のメンバーからは「コロッケのまちが浸透した要因は何か」「メンバーはどのように時間をつくって活動しているのか」などの質問が出された。これに対し「カラーたかおか」の表野勝之さんはこれまでの活動を紹介しながら「面白いとひらめいたことはまずやってみることが大切です」とエールを送った。

高岡コロッケの取り組みについて聞き入る小矢部市のまちづくり研究会員=8月29日、小矢部市内の料理屋

●アイデアに刺激
 カレーうどんのまちおこしを発案した森通さんは「カレーうどんも高岡コロッケと発想は同じ。カラーたかおかのアイデアと行動力に刺激を受けた」と研修会の成果に満足げである。表野さんも「民間と行政が混じり合い、市の助成がなくなった後も自主的に活動を続けていることに驚かされた」と大いに参考になった様子だ。
 カラーたかおかでは今後、小矢部市のカレーうどんの店を巡ることにしている。両市の若者の交流が発展していけば、食を通したまちおこしを推し進める力となるはずだ。

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