高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(82)

第8部・笑顔ホクホク(2)
高校生ショップ 朝市の定番商品に

●りんごとかまぼこ
 わずか三十分で二百個が完売した。高岡市坂下町通りで二十六日に開かれた「たかおか朝市」。高岡商高の生徒が運営する模擬株式会社「ラブリーショップりゅうりゅう」が考案した創作コロッケが人気を集めた。
 地元の国吉りんごを使った「りんごコロッケ」と、かまぼこの切れ目にジャガイモを挟み込んで揚げた「かまぼコロッケ」の二種類で、朝市ではオリジナルの包装紙を使い、二個一セット百五十円で販売した。
 「りんごコロッケ」は角形の果実をそのまま入れ、サクサクとした食感を出した。「かまぼコロッケ」は、かまぼこの身に負けないよう辛めのカレー味をつけてある。調理を担当した洋食店「ポワル」=高岡市御旅屋町=の中村純三さん(51)は「コロッケの具材として想定しないものが多かったが、高校生の発想は斬新で面白い」と振り返る。
 「りゅうりゅう」は、高岡にちなんだ商品開発に取り組んできた。これまでに瑞龍寺や高岡大仏、万葉線をデザインした飴(あめ)のほか、国吉地区のリンゴや戸出地区のモモを使ったヨーグルトなどがある。惣菜は今回が初めてとあって、販売にいたるまで試行錯誤を繰り返した。
 企画段階では、旧福岡町特産のコイのすり身やブリのすり身を入れたコロッケも提案された。最終的に商品化が決まったコロッケについて、高岡商高の亀永辰之教諭(44)は「実現性や採算を考え、長く愛される商品を作りたかった」と説明する。

朝市で創作コロッケを販売する高岡商高の生徒=8月26日、高岡市坂下町通り

●幅広い年代が購入
 総菜などを扱う朝市出店者からは「最初から二百個売るのは無理かもしれない」との指摘を受けた。それでも生徒たちは事前に朝市会場でチラシを配るなどしてPRに努めた。その甲斐あって、午前五時半には開店を待つ列ができるなど、反響は上々だった。
 商品の開発・販売を担当するインターネット販売課長の同校三年角田優さん(17)は「予想以上の売れ行き。まとめ買いする人もいて、幅広い年代の人に食べてもらえた」と手ごたえをにじませる。
 今後の「たかおか朝市」での販売について、角田さんは「リピーターを増やせるかが鍵。これまでの客層とは違う人にも創作コロッケを広めたい」と力を込める。若者の発想で生まれたコロッケが定番商品となれば、コロッケによるまちおこしはさらに活気づく。

第8部・掲載リストに戻る

エピソードトップへ