高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(81)

第8部・笑顔ホクホク(1)
子ども県議会 地域の活力向上に一役

  富山県議会で「高岡コロッケ」が取り上げられた。といっても本物の議会ではなく、今月二十七日に開かれた「子どもとやま県議会」のことである。県内から選抜された「小学生議員」が、高岡コロッケ実行委員会の取り組みについて「市民を楽しく生活しようという気持ちにしてくれる」と評価する意見を述べた。
 「子どもとやま県議会」は県教委が主催する小学生の模擬議会。県内の五、六年生四十人が四つの委員会に分かれ、各自が選んだテーマで視察に出向き、成果を基に県政に提案する。コロッケを題材にしたのは「みんな活(い)き活(い)き キトキトとやま委員会」で、富山県の活力を向上させる方法について話し合った。
 児童は、コロッケによるまちおこしのきっかけをつくった高岡市の若手職員グループ「カラーたかおか」のメンバーを訪ね、これまでの取り組みについて取材。「将来は日本一のコロッケを作りたい」と話すメンバーの熱意に、大いに心を動かされた。
 富山県は県民一人当たりのコロッケ消費量が日本一と言われるが、一般家庭の食卓に上るのはジャガイモのコロッケか、カニクリームコロッケくらい。それだけに、児童の目には、高岡コロッケとして定番商品になっている「大仏コロッケ」や「シロエビコロッケ」が新鮮に映ったようだ。児童からは「取材する前は一部の人だけの取り組みと思っていたが、市民全体に広がったところがすごい」との感想が聞かれた。

子ども県議会で高岡コロッケについて発表する児童=富山市の県議会議事堂

●「地域弁当」を提案  「キトキトとやま委員会」の児童は本会議で、富山の活力向上策として地産地消を進める五種類の「地域弁当」を提案した。ホタルイカ、ますのすし、シロエビなど富山湾の幸が詰まった「滑川のキトキトホタルイカ弁当」などユニークな内容である。
 他の子ども議員からは、「有名な食べ物がない地域はどうしたらいいのですか」という質問が出された。これに対し、委員の福原香那さん=南砺市福光東部小=は「魅力は私たちが発掘すればいい。そうすれば全地域の弁当ができるはずです」と答えた。
 児童たちは「富山の活力を向上させる源は人の力」との答えを、高岡コロッケから学んだ。子どもの目には、食の持つ可能性が無限に広がっていると映ったようである。

 第8部「笑顔ホクホク」では地域での高岡コロッケの広がりを紹介する。

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