高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(76)

第7部・おいしい出会い(6)
応援歌 音頭に乗せて楽しく普及

 子どもごころの味がする、あなたと食べたいコロッケ―。ほのぼのとした歌詞がメロディーに乗って流れる。先月、CD化された「高岡コロッケ音頭」の一節だ。地元のラジオたかおかの電波でも早速紹介され、関係者は「コロッケのまち高岡」の応援歌としての普及に意気込む。

「高岡コロッケ音頭」を歌う西川さん(右端)と福島さん夫婦=高岡市野村

●歌唱力折り紙付き
 作詞作曲したのはテナーサックス奏者として高岡市内で活動する西川武志さん(59)=野村=で、歌は福島豊さん(65)と洋子さん(63)夫婦=角=が吹き込んだ。豊さんは元市職員で、富山民謡大賞で大賞に輝いた実力の持ち主である。
 これまで数多くの曲を手がけてきた西川さんが重視したのは、曲調である。ロック調やジャズ調にすることも考えられたが、「庶民の味」として親しまれてきたコロッケのイメージを大事にし、どこか郷愁が漂う曲調に仕上げた。福島さん夫婦もジャガイモのホクホク感をイメージさせるため、弾むように歌うことを心掛けたという。三人は「高岡市内のコロッケ店に入ると必ず流れているようになってほしい」と期待を込める。
 「およげ!たいやきくん」や「おさかな天国」「だんご三兄弟」など食べ物にまつわるヒット曲には覚えやすい一節やメロディーがある。コロッケ音頭にも「ジュージュー踊るコロッケ」「コロコロコロコロ コロッケ音頭」など耳に残る一節が織り込んであり、ヒットの期待が膨らむ。
 コロッケ音頭は七日に高岡市の国宝瑞龍寺前で開かれる「瑞龍寺七夕 民謡輪おどりとサンバの宴」(富山新聞社共催)でも披露される。市民の前で歌われるのは初めてとあって、市内で活動する新日本舞踊の寿々蘭会が踊りを特別につくった。両手でだ円形の輪を作ってコロッケの形を表現する振り付けで、来場者と一体となった舞台にする趣向である。

●一度走り出せば
 西川さんは高岡コロッケを市民が総出で動かす大八車に例える。新しい名物として定着させるのは大変だが一度走り出せば自然と動くようになるというわけだ。コロッケ音頭はその推進役の一つになる。歌に合わせて踊りが生まれたように市民から楽しい試みがどんどん出てくれば、コロッケによるまちおこしに拍車が掛かっていくはずだ。

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