高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(73)

第7部・おいしい出会い(3)
龍ケ崎(下) 商店街に欠かせぬ存在

 茨城県龍ケ崎市では、コロッケ抜きに商店街活性化は語れない。中心街にあるチャレンジショップで昨年、販売を始めたところ、市外からも買い物客を呼び込むようになった。それまでも月一回、商店街の広場で開かれる物産市「まいんバザール」で売られていたが、買える場所をもっと増やしてほしいとの声を受けて出店が決まった。

中心街を華やかに彩る七夕飾り=高岡市御旅屋町

●チャレンジ工房
 チャレンジショップは「チャレンジ工房『どらすて』」の名称で二〇〇五年に開設され、同市商工会が運営にあたる。創作小物の販売などに活用されていたが、集客力の弱さが指摘されていた。商工会の小杉博亮さんは「あくまで休憩所的な施設なので、いっぱいになることはありません。ただ、コロッケだけは輝いていますよ」と手ごたえを語る。
 「まいんバザール」は、商店街のにぎわいづくりのため〇一年に始まった。ここでも集客の目玉はコロッケだ。惣菜や日用品を並べたり、フリーマーケットが行われていたが、〇四年から年一回、規模を拡大した「食の祭典」を開催するようにした。市民の創作コロッケを集めたコンテストが行われているほか、一昨年には直径一メートルのジャンボコロッケを揚げるイベントが人気を集めた。

商店街にあるチャレンジショップ。昨年からコロッケの販売が始まった=龍ケ崎市内

●「にぎわい広場」核に
 龍ケ崎市では、まいんバザールが行われる「にぎわい広場」を核に商店街再生に力を入れる。現在の約二千平方メートルから七千平方メートルに拡大する計画で、今年度中の完成を目指す。イベントステージなどを設置して、魅力アップを図る考えだ。
 龍ケ崎市では、昭和五十年代に造成された新興住宅地の市民と、旧来からの市民との融和が課題になっている。これまでは新興住宅地から中心商店街に買い物に来る人は少なかったが、まいんバザールなどの効果で商店街に足を運ぶ人が増えてきた。
 龍ケ崎市は来年度、作成する観光パンフレットにコロッケを掲載する予定で、大竹昇商工振興課長は「コロッケは、まちの顔として定着した。にぎわいや観光に欠かせない存在だ」と話す。  高岡コロッケは富山県内で知名度を高めているが、まだまだ発展途上である。龍ケ崎市を参考にしながら、商業振興や観光にこれまで以上に活用していきたい。

第7部・掲載リストに戻る

エピソードトップへ