高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(59)

第5部・味なまち(9)
B―1 ご当地グルメの交流推進

 高岡コロッケののぼり旗がB級グルメの祭典ではためいた。今月二日に静岡県富士宮市で開かれた「B―1グランプリ」。富山新聞社などでつくる高岡コロッケ実行委員会は、全国から集まった二十一団体と並んで開会式のステージに立った。「愛Bリーグ」(B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会)のメンバーとしてデビューを果たしたのである。
 前日の一日に開かれた愛Bリーグ総会では加盟団体が二十三となり、一年で二倍以上に増えたことが報告された。渡辺英彦会長は「リーグに入ることでB級グルメとして全国的に認知される。加盟団体の連携をさらに発展させたい」と意欲的だ。

全国のご当地グルメが集まったB―1グランプリの会場=静岡県富士宮市

●13道県の料理集結
 今回のB―1グランプリには、十三道県から二十一の料理が集まった。高岡コロッケ実行委は販売こそしなかったが、来場者に情報誌や新聞掲載記事を配布してPRに努めた。来場者からは「どんなコロッケなんですか」と質問が寄せられ、実行委として参加した高岡商工会議所の山崎裕さんは「大勢の人の前で高岡を売り込むのに必死でした」と汗だくだった。
 高岡コロッケ実行委にとっては、高岡をPRしたこともさることながら、最大の成果は各団体と交流の足がかりをつくったことだ。開会式や交流会などを通じて各団体の関係者と精力的に情報交換し、全国発信に向けた熱い思いで心を通わせたのである。
 岐阜県郡上市の奥美濃カレープロジェクト実行委員会は、市内三十一の店で組織する。認定店を紹介する地図を作成したり、物産展などに精力的に出展するなど、活動は高岡コロッケと似ている。昨年八月に高岡市で開かれた東海飛越能物産フェアにも出店するなど、隣県としてのつながりもある。事務局を務める郡上市商工会の佐藤廣美事務局長は「富山と岐阜は距離的にも近く、イベントで相互に行き来すると効果的ではないか」と期待を込める。

B―1グランプリで「高岡コロッケ」を紹介する実行委のメンバー=今月1日、静岡県富士宮市

●2日間で20万人
 今年のB―1グランプリは、二日間で二十万人以上を動員した。その魅力は、郷土色あふれる多彩な料理を楽しめることにある。愛Bリーグでの交流は、高岡コロッケのまちおこしに相乗効果をもたらすはずだ。

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