高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(57)

第5部・味なまち(7)
給食 地産地消のアイデア続々

 高岡市内の全保育園四十八カ所の給食に、今月から月一回程度、地元産の野菜を使った「高岡コロッケ」が登場する。給食の献立を担当する市児童育成課の宮崎仁美さん(25)の提案がきっかけになった。宮崎さんは、高岡をコロッケのまちとして発信するきっかけとなった、市若手職員でつくる「カラーたかおか」のメンバーである。

今月から「コロッケ給食」が始まる保育園=高岡市内

●手作りで地域色を
 これまでもコロッケは給食に出ていたが、おからや大豆が材料に使われているだけで、地域色はほとんど感じられなかった。同課の草開和子さん(58)、本田久美さん(48)とともに地産地消のコロッケに取り組み、第一弾として同市上関町特産のホウレンソウを入れた「ポパイコロッケ」ができあがった。
 保育園ごとに調理員が作るため、園によって形や味が異なるコロッケとなる。草開さんは「手作りの保育園給食ならではのよさが発揮できるはず」と期待を込める。
 市保育所連盟が今秋に開く給食コンクールのテーマも、コロッケとコロッケに合う副菜の二品になった。各保育園の代表者が六ブロックに分かれて調理し、各ブロックでオリジナルコロッケを取り入れていく予定だ。
 市教委体育保健課も、コロッケを小中学校の給食に出す検討を始めた。高岡ならではのコロッケにしたいとの思いから、同課の藤井裕子さん(56)が栄養士二十四人に呼び掛けたところ二十九点の応募があった。食べ歩きを意味する「高岡冒険コロッケ」や銅器の町にちなんだ「釣り鐘コロッケ」の名称もあり、関心の高さを示した。

献立について検討する職員=高岡市役所

●記憶に残る献立に
 学校給食といえばクジラの竜田揚げなど思い出に残る物が多かったが、飽食の現代は記憶に残る献立が少ないという。「現代の子どもたちが、大人になった時に思い出してくれるようなコロッケを作りたい」。同課の牧佳子さん(53)は意欲を語る。提案された二十九点の良い点を組み合わせ、季節の野菜や果物を入れたコロッケを作る考えだ。
 本田さんは「喜んでコロッケをほおばる子どもたちの顔を思うと、考える私たちも楽しくなります」と笑顔を見せる。コロッケ給食の取り組みは、コロッケによるまちおこしが教育現場や家庭に広がっていくきっかけになるはずだ。

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