高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(40)

第3部・あつあつ談義(10)
ホテルニューオータニ高岡、常務・総支配人 間山隆氏
札幌ラーメンに続け

 出身地の札幌では、ラーメンが全国ブランドになっています。札幌の名所、名物といえば、時計台とラーメンが挙げられるのではないでしょうか。食がもたらすブランド力は、地域のイメージを決定づける大きな力を持っていると思います。

ホテルニューオータニ高岡、常務・総支配人 間山隆氏

●ありふれた料理
 札幌ラーメンといっても、四十年ほど前までは名物ではありませんでした。JR札幌駅前やススキノといった歓楽街に屋台が繰り出し、酒席の後に腹ごしらえする、ありふれた食べ物だったのです。
 それが札幌で冬季五輪が開催された一九七二(昭和四十七)年に、世界中から集まる五輪選手や関係者に名物料理を出そうということになり、地元の飲食店がみそラーメンをこぞって作りだしました。やがて評判になり、数店舗が集まってラーメン横丁を作ったり、PR活動を行った結果、全国ブランドに育ったのです。
 転勤で高岡に来て、社員からコロッケを名物に育てようとする取り組みがあることを知らされました。当ホテルでも白エビやズワイガニなどを入れた手作りコロッケを提供し、まちおこしに一役買おうと努力しています。
 ただ、正直、コロッケでは強い特徴を打ち出しにくいのではないかと考えていました。それが今年一月の日本海高岡なべ祭りで、いい意味で裏切られました。ホテル前で売り出したところ、行列ができ、瞬く間に完売しました。努力次第で札幌ラーメンのような名物になると確信しました。

●ホテルの味
 現在、ホテルが経営している北陸自動車道有磯サービスエリアや氷見カントリークラブでも、手作りのコロッケを出せないか検討しています。ホテルならではの手の込んだ味を、気軽に味わえるようにしたいと策を練っているところです。
 高岡コロッケ実行委員会には、市や商工会議所が参画していますが、全国ブランドにするには飲食店や小売店といった民間の力が鍵を握っています。札幌のラーメンは飲食店が率先して盛り上げ、大きな広がりになりました。高岡でも参加する店がもっと増えていくことが欠かせないと思います。

第3部おわり。第4部は4月中旬から掲載します。

第3部・掲載リストに戻る

エピソードトップへ