高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(37)

第3部・あつあつ談義(7)
商業界富山県同友会副会長、佐藤幸博氏
観光素材、もっと生かせ

 コロッケを使って高岡をPRするのは面白いアイデアです。ただ、コロッケだけでは簡単に人は集まりません。高岡は瑞龍寺や勝興寺、高岡御車山(みくるまやま)祭など、第一級の名所や祭りを抱えています。まず、核となる観光資源をしっかり売り込むことが大事です。京都の祇園祭や高山の曳山(ひきやま)祭の会場に出て、御車山祭をPRしてもいいのではないのでしょうか。

商業界富山県同友会副会長、佐藤幸博氏

さとう・ゆきひろ 浅田屋グループ(金沢市)勤務を経て1985(昭和60)年、砺波市にステーキ店「柿里」を開業。高岡市でも懐石料理店などを経営。49歳。

●万葉線活用を
 観光振興のキーワードとして、万葉線を挙げたいと思います。全国から小学生を集めて商店街から見た車両や車窓からの眺めをスケッチしてもらい、車内に展示すれば話題になるでしょう。レトロな雰囲気の電車や、ドラえもんなどをあしらった車両を導入するのもいいかもしれません。子供たちが「見たい」「行きたい」と言えば、親も高岡に来てくれます。そうすれば自然と、お金が高岡に落ちるようになるはずです。万葉線を海王丸パークまで延伸するのも面白いと思います。財政的な課題はあると思いますが、一考の余地はあるはずです。
 高岡古城公園に大仏を建設するのはどうでしょうか。アルミや銅器など高岡の産業を支える人の技を結集し、一つの物を造るということです。昔から脈々と伝わっているものを大切するのは当然ですが、百年後の高岡に残していく市のシンボルを造ってもいいと思います。市民に呼びかけ、建設のための寄付を募ってもいいでしょう。

●アイデア勝負
 小学生のころ、学校の帰り道に肉屋に寄ってコロッケをよく食べていたのを覚えています。そんな懐かしい思いもあって、昨年、氷見牛コロッケを開発しました。一個二百円と、少々、値は張りますが、肉のうまみが詰まった高級コロッケとして評判は上々です。百貨店などに並べてもらい、二月に金沢市で開かれたフードピアランドで販売したところ、大勢の人に買ってもらいました。ステーキに向かないようなモモやバラ肉を有効活用するのが目的でしたが、具材として氷見牛は最高です。素材をうまく生かすアイデアこそが大事だと思います。
 高岡ほど観光資源に恵まれたまちはありません。瑞龍寺など全国ブランドの素材をもっと活用することができれば、高岡コロッケも輝いてくるはずです。

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