高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(32)

第3部・あつあつ談義(2)
高岡商工会議所青年部会長、菅野克志氏
名物に育て郷土愛はぐくむ

 最近、自宅がある山町筋を訪れる観光客から、コロッケを買える店を教えてほしいと言われるようになりました。高岡コロッケへの関心が高まっている証拠でしょう。コロッケをほおばりながら町を散策する人が増えるのが楽しみです。
 父の仕事の関係で県外で育ったため、山町筋に住み始めたのは二十歳を過ぎてからです。その時の第一印象は、観光資源が手付かずというものでした。二〇〇〇年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、観光客が増えましたが、観光地として必要な休憩所や駐車場がないのが気になっていたのです。

高岡商工会議所青年部会長、菅野克志氏

すがの・かつし 北陸銀行勤務を経て1997年に高岡ガス入社。常務、専務を経て05年から社長。06年4月から高岡商工会議所青年部会長。41歳。

●価値を再認識
 そこで二年前、自宅横の民家を改修して喫茶店「山町茶屋」を開きました。高岡商工会議所青年部の仲間六人と株式会社「蔵のまちスクエア」を設立し、運営にあたっています。幸い、駐車場は市が整備してくれました。
 観光客が来るようになったといっても、平日はまだまだ少ないのが実情です。商いとして成り立ちにくいのに、なぜ喫茶店をやるのかと聞かれたこともありました。訪れる人をもてなす取り組みが全国から評価されるようになれば、市民が山町筋の価値を再認識し、町並み保存の機運が高まると考えたのです。
 コロッケも同じことが言えます。高岡市は全国屈指の消費量を誇り、アイデア商品も生まれてきました。しかし、コロッケを名物と認識している市民は少なかったのではないでしょうか。
 高岡コロッケのキャンペーンを通し「コロッケのまち・高岡」が全国に認知されれば、ここにしかない味を求めて多くの人が訪れるようになります。そうすれば、市民の郷土に対する愛着を強くすることができます。札幌のラーメンや宇都宮のギョーザのように、高岡コロッケはご当地グルメとして全国に通用する力を秘めているのです。

●名刺に活用を
 今後の取り組みで提案させてもらうなら、高岡コロッケのマスコットキャラクターをもっと活用するべきだと思います。藤子・F・不二雄さんの「コロ助」は著作権の制約があるようですが、実行委のキャラクターは比較的自由に使えるようです。市民や企業が名刺や広告、ホームページなどに入れていけば、まちおこしを支援することにつながるはずです。

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