高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(26)

第2部・夢は揚げたて
発信地(上) 全国先行販売で存在感

 高岡市内のジャスコ二店で七日から十四日まで、ジャガイモの代わりにチョコレートを具に使った「チョコレートコロッケ」が総菜売り場に並び、家族連れや若者の注目を集めた。

チョコレートコロッケの販売コーナー

●夕方前に品切れ
 バレンタインデーの十四日には、ジャスコ高岡南店で、夕方前に品切れとなるなど、売り上げ個数は目標だった八百個を大幅に上回った。
 チョコレートコロッケは高岡市内だけでなく、同時期に全国のジャスコで販売されたが、高岡では一月の「日本海高岡なべ祭り」のコロッケ横丁で全国に先駆けて市民に販売された。
 この新作コロッケは、ジャスコ高岡南店などを直営するイオン(千葉市)の食品商品本部が「意外性」をテーマに企画したもので、今年のバレンタインデーに向けて商品化にこぎ着けた。
 その関係者がコロッケによる町おこしを進める「高岡コロッケ」の取り組みを知り、試験的な先行販売の場所として高岡に白羽の矢を立てたのである。

チョコレートコロッケを揚げる従業員。意外性がコロッケのまち高岡でも人気を集めた=高岡市のジャスコ高岡南店

●自信深める
 初めて販売されたチョコレートコロッケは、コロッケ横丁の店舗の中でも一、二を争う人気で、二日間で千個を売り上げた。出店したジャスコ高岡南店の関係者は、全国有数のコロッケ消費量を誇る高岡市民の舌を満足させる結果に胸をなで下ろし、全国販売への自信を深めた。
 総菜部門を管轄するイオン中部カンパニー富山石川食品商品部の穴蔵修さん(41)は、この時、販売を担当した一人で、「お客さんが、おやつ代わりに気軽に食べている姿をみてホッとした」と、初登場の日の思いを振り返る。
 本番の全国展開でも、先行販売の成功を受けて富山、石川両県でいち早く店頭に並べられ、これを追うようにジャスコの流通網に乗って、全国津々浦々の店舗に登場した。
 商品を全国に広め、人気を定着させるには、女性への細やかな気遣いが欠かせない。このため、女性にも食べやすいように一口サイズとし、一個三十グラム前後と通常のコロッケの三分の一の重さに抑えた。
 丸ごと食べても腹にもたれず、甘さも控えめで、飽きがこない味になっている。包装袋は、ピンクの文字や模様を基調としたデザインが施された。
 社員からは、高岡のジャスコ発のコロッケの新作を期待する声も上がり、穴蔵さんは「地域性の色濃く出た話題性のあるコロッケをぜひ企画したい」と力を込める。
 全国のジャスコの総菜売り場に、高岡発のコロッケが登場する日が来るかもしれない。

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